むなしく老いぬ
むなしく老いぬ
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日毎磯に 沖見る嫗(おみな)
波の彼方に 何をか恋うる
待てど待てど帰らぬ我が背(せ)
船か破(や)れにし梶をか絶えし
ああ哀れや 背を待つ嫗
磯に年経て むなしく老いぬ