高く泳ぐや鯉のぼり

イラスト/高く泳ぐや鯉のぼり

カラカラと鳴る矢車の音… 吹流しと一緒に5月の風に元気よく泳ぐ鯉のぼり…

鯉のぼりは、端午の節句に、男の子の健康と出世を願って立てられる外飾りです。

5月5日の節句は、平安時代から「菖蒲の節句」とされ、江戸時代になり、この「菖蒲」が「尚武(武を尚ぶ)」と通じるとして男の子の祝いの日とされたそうです。

また、中国に伝わる「黄河の上流の竜門をのぼることができた鯉が竜に化す」という伝説から、鯉のぼりが立身出世のたとえとして使われてきました。

江戸時代は紙で作られた鯉のぼりでしたが、現在は、布製やビニール製のものになりました。

鯉のぼりを歌う曲を2曲紹介しましょう。

鯉のぼり  ⇒  歌詞掲載ページ (2分18秒 曲/文部省 詞/文部省)

1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌(五)」に発表された文部省唱歌。大空を泳ぐ鯉のぼりの姿、そして、男の子の成長を願う思いが歌われています。

甍(いらか)の波と雲の波 重なる波の中空を
橘(たちばな)かおる朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり

開ける広きその口に 舟をも呑まん(のまん)様(さま)見えて
ゆたかに振う(ふるう)尾鰭(おひれ)には 物に動ぜぬ(どうぜぬ)姿あり

百瀬(ももせ)の滝を登りなば たちまち竜になりぬべき
わが身に似よや男子(おのこご)と 空に躍るや鯉のぼり

こいのぼり (1分55秒 曲/作曲者不詳)

1931年(昭和6年)「エホンショウカ」に発表されました。

背くらべ  ⇒  歌詞掲載ページ (2分33秒 曲/中山晋平 詞/海野厚)

この曲も、端午の節句を歌った童謡の名曲です。すくすくと育つ子どもたちの姿が歌われます。

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