秋は、収穫の季節で、五穀の実る時季…、しかし、収穫の喜びの反面、実れば終わる寂しさが漂うのも、また、秋と言えます。
そして、秋の終わり 「晩秋」 になると、秋色はさらに深まり、冬近しの感が強くなり、万象ことごとくはかない思いとなります。
秋の終わりのこの時を、「深秋」 「暮秋」 とも言うそうです。
このページでは、こんな秋果つ思いを歌った名曲を4曲紹介します。
明治時代に日本の歌詞がつけられた外国曲で、いずれの曲も、見事に秋の思いが表現されています。
秋のあわれ ⇒ 歌詞掲載ページ (3分38秒 曲/マラン 詞/鳥居忱)
スイスの宗教家マラン(1787年〜1864年)が作詞・作曲した讃美歌に、鳥居忱(1854年〜1917年)が詩をつけました。
しみじみとした心の奥底の秋のあわれが感じられる名曲です。
更け渡る秋の夜 庭に鳴く虫の音
萩原(はぎわら)の伏庵(ふせいお) さらぬだに此の身(このみ)は
旧にし(ふりにし)世忍ぶに 淋しさは身に染む(しむ)
淋しさよ伏庵 淋しやな秋の夜
秋の夜半 ⇒ 歌詞掲載ページ (2分45秒 曲/ウェーバー 詞/佐佐木信綱)
ウェーバー(1786年〜1826年)の曲に、佐々木信綱(1872年〜1963年)が詩をつけました。
くにを離れ、都に学び、秋の夜に独りふるさとを思う気持ちが切々と歌われます。
旅愁 ⇒ 歌詞掲載ページ (3分46秒 曲/オードウェイ 詞/犬童球渓)
アメリカのオードウェイ(1824年〜1880年)の曲に、熊本県出身の作詞家犬童球渓(1884年〜1943年)の詩がつけられました。
更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ
恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは 故郷の家路
更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ
故郷の空 ⇒ 歌詞掲載ページ (2分01秒 曲/スコットランド民謡 詞/大和田建樹)
スコットランド民謡に、大和田建樹(1857年〜1910年)が詩をつけました。
夕空はれて あきかぜふき つきかげ落ちて 鈴虫なく
おもえば遠し 故郷の空 ああ わが父母 いかにおわす
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